パン粉だけでグレが釣れる「パン粉釣法」たる釣り方があるらしい。
マキエは集魚剤は混ぜず、パン粉と海水のみ。サシエもパン粉を水で練ったものを使うという。
「何それ、楽しそう」
この話を聞いて以降、パン粉釣法への興味が抑えられず、実際にやってみることにした。
まずは下調べ
まずはパン粉釣法について色々調べてみる。
マイナーな釣り方なのか、情報がほとんどない。水はどれだけ混ぜるのか?どれだけ持っていけば良いのか?全然分からない。
それと追加で分かったことだが、パン粉釣法と言っても、アミエビやオキアミ、集魚剤を混ぜることの方が多いらしい。
へぇ~、でも俺はパン粉のみで挑むんだ!オキアミ?集魚剤?そんなものはいらん!
入りたいポイントは人だらけ・・・山抜けを決意
朝7時にポイントに入る予定だったが、起きたら10時半(笑)まあ仕方あるまい。
慌てても仕方ないので、ゆっくり飯を食ってからポイントへ向かう。入る予定のポイント近くの駐車場は予想に反して満車・・・
全て他所ナンバー。人がいないところで釣りがしたいので、土日祝日の釣りは避けているのだが、まさか平日の昼間に満員とはさすがに予想外。
次に入れそうで人が少なそうなポイントを考えて、そちらに向かう。山を抜けて、磯もかなり歩くので、1人では行きたくないのだが・・・
2㎏のパン粉を2袋持っていく予定だっだが、歩く距離が長いので1袋だけにした。
山を抜け、磯を歩きポイントに到着。やはりここは沖磯の雰囲気がある。歩く甲斐はあるってもんだ。
カメラ設置
今回はYouTube用の動画の撮影もしたかったので、まずはカメラを設置する。フカセの撮影は難しく、上手く撮れない。何回か挑戦しているが、全てボツに終わっている。今回はUPしたいものだが、果たしてどうなるか・・・
今回は磯フカセでは初の試みで、三脚を立ててカメラを設置する。全体像の撮影である。なお、この時のカメラはiPhoneなので、これをやると写真が撮れなくなる。早くビデオカメラ買いたい・・・以前風で三脚が倒れた時にiPhoneが海に飛んで行ったことがあるので、海から離して設置する。安物の三脚なので安定感がない。これも買うべきか・・・
エサを作る
エサは浜市の釣りエサ用パン粉2㎏。2㎏で385円だった、非常にお得である。
本当にこれだけで釣れるなら、エサ代がかなり抑えられるので、フカセの頻度が増やせる。これは嬉しい。
インターネットではもっと安いパン粉があった。
10㎏まとめ買いならかなりお得だ。そうそう腐るものではないのだからまとめ買いも良いだろう。まとめて車に積んでおこうか?
パン粉をバッカンに開けたら、パン粉のいい匂いが漂う。臭くない、これは大事だ。
水の量は分からないので、少しずつ足しながら混ぜていく。まずは500mlほど入れたところでストップした。今考えると750mlほど混ぜても良かったと思う。
どんどん乾いていくので、都度水を足しながら調整する。遠投したいなら水を多めにして、集魚剤と同じぐらいの粘りにすると良いし、近くを釣るなら多少パサつくぐらいで良いだろう。
僕は遠投はあまり好きではないので、パサついた状態で使うことにする。とは言え、パサパサ過ぎると全く沈まないので、ある程度水分を加えてやる必要がある。
サシエもパン粉だ。海水とよく練って団子にして使う。練りが甘いと、すぐに鈎から外れてしまうのでしっかり練る。
これでマキエとサシエは完成だ。
エサを撒く
とりあえずたっぷりとパン粉を撒き散らしてみる。
ガンガン撒いていると魚が集まってくるのが見える。グレ・アイゴ・カワハギなどなど。
グレしか寄ってこないという話を聞いていたのだが、まだ水温が高く魚の活性が高いので色んな魚が寄ってくるようだ。
杓は自作した。マグナムクラフトのブランクをカットし、チタンカップを付けただけだがなかなかイケる。ブランクの質がメッチャイイ(笑)
エサをたっぷり撒いたら仕掛けの準備に移る。
盛大にやらかす
仕掛けの準備をしようとして、ある事に気付く。
スイベル・ウキゴム・シモリ玉が入ったケースを車に忘れた。ついでにサングラスも忘れた。
取りに戻りたいところだが、残念ながらもう一度磯を歩いて山を抜ける気力はない。あるもので釣りができるように整えることにする。
シモリ玉が必要ないぐらいウキ止めを太く結ぶ。巻きこめないので、完全固定式となる。
ウキゴムではなく、ウキの下にもウキ止めを強く太く結んで止める。
そして道糸とハリスはスイベルは使わずに直結。
これで挑むことにする。
いざ実釣開始
タナが変えられないのが痛いが、まあ仕方ないだろう。ウキは0、オモリなしでスタート。
ウキは潮を受けて沈んでいく。何回か試したが、マキエが入っていくところと、ウキが入っていくところがズレているので、ウキを変えてみる。
ウキをG2に替える。オモリは打たない。今度は沈まなさすぎるので、少しずつオモリを打って調整する。
それでも何か違う・・・どうしようかと考えていると穂先が引き込まれるようなアタリが出た。
全く警戒していなかったので、何もできず、魚は掛からなかった。しかしアタリが出たことで期待は高まる。
もう一度試すと、同じようにアタリが出る。しっかりとアワセを入れフッキング。強く、そして叩く引き。これはグレではなさそう。
そんなことを考えていると、巻きこんではいけないウキ止めを巻き込んでしまった。ガイドに引っかかって出ていかない。第一ガイドがズレこみ、非常に危険な状態。ここで暴れられたら間違いなく折れる。
ヒヤヒヤしながらタモを伸ばすと、魚はすんなり収まってくれた。ふう、一安心。
因みに魚は
サンノジでした。良く引くはずだ。
パン粉釣法ファーストフィッシュはグレではなくサンノジであった。
グレを求めて
サンノジは釣れたが、まだマキエとウキのコースが合わない。
潮の流れも大きく変わり、風の影響もあってウキとマキエが全然違うコースで流れてしまう。
2枚潮であるうえに、風が上の潮と同じ向きなのでウキが滑ってしまう。ウキ先行で流れてしまうので全く喰わない・・・
こんな時、潮受けウキゴムがあれば・・・誰だ忘れたやつ。
ここで大きく作戦を変える。マキエが入っていくコースは筋になって目視できるので、そこに合わせてウキごと沈めていく。パン粉の視認性の高さが役立った。
浮きは00にしてオモリは打たない。エサの重みで沈めていく。パン粉団子はオキアミよりも遥かに沈下速度が速いので、素早く入って欲しいコースに入ってくれる。
パン粉団子が潜り潮に乗るタイミングで、ウキがマキエの筋に入るようにコントロールして、後はサシエ先行でどんどん沈めていく。
すると沈んでいくウキが大きく加速!
しっかりとフッキングを入れ、ファイト。上がってきたのは25㎝ほどのグレ。瞬殺だったが、パン粉で本命ゲット!
同じように入れると連続ヒット。同じようなサイズのグレが釣れた。
これはパターン解明。「もう勝った」と思ったが甘かった。これ以降、グレは見えているのに喰わない。同じように流しても喰わない。
2枚潮がきつくなり、しかも太陽が正面に入ったことによりウキが全く見えなくなった。
こんな時サングラスがあれば・・・誰だ忘れたやつ。
移動
あまりにも釣りにくいので、20mほど移動。15m先に大きな岩がある。その両サイドから波が入ってきて、サラシになっている状態。
まずは足元から流してみるが、どうやら違うよう。なら、波の裏側に当たる、前の大きな岩の際ギリギリを攻めてみる。これが正解だったようで、1匹追加。
「よし、まだまだ追加できる」と思ったが、単発で後が続かず・・・
そんなこんなしているとエサが尽きたので強制終了となった。
片付け~
パン粉しか使っていないので片付けるのが非常に楽。集魚剤+オキアミと違って簡単に流れてくれる。道具を洗うのも楽だし、釣り場清掃も楽。エビ臭さもないし、控えめに言って最高。
磯だけでなく堤防でも多いが、釣りをした後に掃除していないバカが非常に多い。みっともないし、汚いので止めてほしい。タバコやラインのゴミも多いし勘弁願いたい。磯で捨てたラインに絡まって転んだらどうしてくれるのか。このブログを読んでくれている方は、こんな恥ずかしい事しないようにお願いしますね!
さあ、釣ったグレをどうしようか。どれぐらいパン粉を喰っているか見たいから持って帰りたいのだけれど、魚を持って磯と山を歩くのはキツイ。残念だが、海に帰ってもらうことにした。
キーパーバッカンでエアレーションを入れて活かしていたので、元気に帰っていった。倍に成長したらまた釣れてくれ(笑)
最後に
半信半疑のパン粉釣法だったが、本当にパン粉だけでグレが釣れた。釣果は3枚と時期を考えるとかなり少ないが、まあいいだろう。オキアミを使うとエサ取りパラダイスになっていただろうし・・・
エサ代が非常に安く済むこと・道具を洗うのと釣り場清掃が楽であること・エサ取りが寄りにくい事などメリットは大きいと思う。
水温が落ちると厳しくなるだろうが、もうしばらくはパン粉だけで遊べそうだ。
使用タックル
非常に軽量で高感度。薄巻きのブランクスながら、しっかりと胴まで曲がり込み魚を浮かせてくれる。
パワー重視のローギアモデル。仕掛けの回収は面倒だが、パワーのある魚と対峙するときはこれほど頼もしいリールはない。いざとなればゴリ巻きでむりやり頭の向きを変えることができる。
ボディ自体が非常に強い。浮力は少々誤差があるが、磯にぶつけても割れないのがありがたい。かなりぶつけまくったので、塗装は剥げ始めているが、剥がれた部分から一気に剥がれてしまうこともなく使えている。気を遣わずにガンガン使いたい方にはおすすめ。
上と同じく、ボディが非常に強いのがありがたい。今回の釣りのMVP。このウキがなかったらグレが釣れていたかどうか怪しい。
意味不明なぐらい刺さる。抵抗なくスッと刺さるので、フッキング率が抜群に高い。
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