以前から開発を進めていた4インチのシャッドテールワーム。
ずっと自作シャッドと言ってきましたがこの度ついに名前を付けました。
その名もプローンシャッド
プローンシャッドです。
このシャッドはずっとエビをモチーフにして開発を進めてきました。
お腹の細かいリブはエビの脚をイメージしているんです。
テールで魚を表現し、脚でエビを表現するという欲張りなワームにしました(笑)
「プローン」は英語でエビの事。
エビと言えばシュリンプをイメージする方も多いと思いますが、シュリンプはオキアミやサクラエビのような小さなエビを指します。
プローンはクルマエビやウシエビのようなサイズのエビを指すので、このシャッドにはピッタリだったのです。
本当はエビシャッドにしようと思っていたのですが、エビシャッドって名前のワームもうあるんですよね。
プローンシャッドのコンセプト
プローンシャッドのコンセプトは「シルエットの明滅と新しい波動」です。
プローンシャッドが作り出すシルエットの明滅
一般的にシルエットの明滅を作り出すためにはツートンカラーである必要がありますが、プローンシャッドは形状の特殊性から、単色でもシルエットの明滅を作り出すことが可能です。
もちろんただツートンカラーにしたり、この形に似せれば良いという訳ではなく、動きが非常に重要になってきます。僕が理想とする動きを出すことが重要であることは、これまでのテストの結果ではっきりしています。
ハタ相手にワームの動きはそれほど重要ではないと考えていましたがそれは間違いでした。僕が理想とする動きが出せているサンプルとそうでないサンプルでは同じ船中でも釣果は格段に変わります。
本気で開発を進めていくうちに、これまで市販品を使っていただけの時とは全く違う世界が見えました。
シルエットの明滅を作り出すための動きに加え、耐久性やボリュームの最適化、飛距離を求めた為にプロトタイプを27種類も作る羽目になった訳ですが、ようやく良い形になってきました。
Ver27は耐久性と飛距離の面はまだテスト出来ていませんが動きは最高です。しっかりとシルエットの明滅を作ることが出来る動きになっています。
単色で作り出される明滅が効果的かどうかはまだテスト不足なのでこれからもテストを続けていきます。
効果が薄ければ全てツートンカラーにしますが、コストがえぐいので単色でもツートンと同じぐらい釣れることを祈ります(笑)
ツートンカラーがメッチャ釣れることははっきりしています。
プローンシャッドが作り出す波動
プローンシャッドが作り出す波動は従来のワームにはなかった全く新しいものとなっています。
プローンシャッドの腹部は見ての通り多数の突起で構成されています。
他のワームと比べればよく分かりますね。
一般的なシャッドテールワームが水を押すようになっているところに、プローンシャッドは水が抜ける場所が何ヵ所もあるのです。
これによりこれまでになかった波動が生み出されます。
直接魚に聞けるわけではないので、これが効いているかどうかは定かではありませんが「効いているような気がする」と言うのが僕とテストに協力いただいている方々全員一致の意見です。
マジで苦労しました
ここまで来るのに本当に苦労しました。
正直な話をするとVer4で完成にしても良かったんです。Ver4は腹部の形が今の形じゃなかった頃ですが、今考えるとワームとしての完成度は27種作ったプロトタイプのうち3番目に良かったんです。
出来たのはまぐれです。初めてのワーム開発、3DCADのソフトの使い方もままならない、それどころか何にも分からない状態でなぜか出来ちゃった。
でも少しでも気になることがあると許せないのでボツになりました(笑)
これが地獄の始まり。ボツボツボツ。ボツのオンパレード。
動きが出せても耐久性や飛距離が出せない。耐久性重視で作れば動きが出ない。耐久性と動きが両立できたと思たら飛行姿勢が最悪。何か見た目がカッコ悪いなどなど。
毎日悩んで、作ってテストしてすぐボツにして・・・
次にVer4より良いのが出来たのは確かVer17か18だったはず。
これは良く釣れましたが最終的にはボツ。
そこからまたまたボツを繰り返しようやく出来上がったのが今回のVer27。
ボディラインの角度、ヘッド部のサイズ、テールのえぐり方とサイズ、突起の幅と突起同士の間隔。色んな所を弄って試して・・・最終的には0.2㎜単位で調整をして・・・
いやぁ~、大変でした。
もう完成したような言いぶりですがまだ完成してません(笑)
拘り抜いた良いワームを
テストに協力いただいている方から「こんなに釣れるのに何が不満なんだ!何がダメなんだ?もう十分だろう。どっかで妥協しないと掛けた金額分回収できなくなるぞ」と言われました。
某超有名ロッドメーカーのルアーブランドで僕が生まれたぐらいからプロスタッフとしてご活躍されている方からのお言葉。この人がここまで言うってことは多分ここで完成にしても良かったのでしょう。
この活動を続けていくためには掛けた金額を回収するだけではなく、利益を出し続けなければなりません。そのことは分かっています。
それでも妥協したくなかった。ここまで妥協したら折れたみたいで嫌だったし、何よりまだ僕が納得していない。
僕はワーム開発の段階ではコストの事を考えていません。期間も予算も決めません。良いモノが、自分が納得するモノが出来るまでです。
僕は設計から製造まで1人で出来ます。その技術と知識を身に付けました。開発の段階では外部の工場等は一切使いません。
だからプロトタイプを何種類作ってもそれほど金額は掛かりません。掛かるのは3Dプリンターのフィラメント代、モールド作製用のシリコン代、ワーム本体のマテリアル代ぐらいです。
だから拘りまくれるのです。僕1人なので従業員の生活を保障をする必要もありませんしね。
苦労した先の更なる壁
製品化までにもう1つ越えなければならないとんでもなくデカい壁があります。
作ってくれる工場がないんですよね。大問題です。
現状僕が出来る製造方法では量産は無理、だから製品化するときには工場を頼る必要があるのですがその工場がないんです。
僕の拘りを突き通すためにはハンドポワードでなければなりませんが、ハンドポワードでプローンシャッド腹部の形を綺麗に出すのって難しいらしいんですよね。
僕は普通に作っていますが、これは生産効率を全く気にしていないからであって、生産効率重視だと形が出せない模様です。
複数の工場に当たってみましたが、技術的に無理って答えかバカ高い値段か・・・
誰か5本入り2000円でも買う人います?(笑)
せっかくここまで来たのに製造上の問題にぶち当たるとは・・・
僕が簡単に作るんだから工場の職人さんたちに掛かれば余裕だと思っていたのですが甘かったです。
今考えているのは、マテリアルの仕入れ先を探して自分で生産。機械は何とか都合が付きそうなんでとりあえずは少量生産でやろうかなと思っています。
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